卒業生からのメッセージ

武内 栄希 平成17年度卒業

現所属 株式会社ウイングル 就労支援事業本部 研修センター センター長補佐

武内  栄希

私は現在、株式会社ウイングルという企業で勤務しています。

当社における2つの主な事業は、

・障害福祉サービス事業(就労移行支援)

・発達障害児教育事業

であり、全国に、

・就労支援事業所37拠点

・学習支援教室 Leafプログレス5拠点

・総合幼児教室 Leafジュニア15拠点

の展開を行っています(※2013年5月現在)。

障害福祉サービス事業(就労移行支援)では、就労を目指す障害のある方に対して、パソコンやコミュニケーション、ビジネスマナー、就職活動スキル向上等のプログラムおよび職場体験実習等の機会をご提供し、就労後の継続サポートも行います。

発達障害児教育事業では、発達障害のあるお子さまに対して、Leafジュニアでは就学前のお子さまへ療育等発達の支援を、Leafプログレスでは学齢期以降のお子さまを対象に学習の支援をメインに行っています。

私は現在、当社の障害福祉サービス事業(就労移行支援)に携わるスタッフの育成部門である研修センターで、社員の人材育成に従事しています。

筑波大学で学んだことは、現在の私の仕事に大きな価値を与えてくれており、その学びがあったからこそいまの仕事ができていると感じています。多岐に渡る研究が行われ、多くの先生方から様々な専門性を学ばせて頂いたことは、自分にとって非常に大きな強みとなっています。

また、同じ思いを持ち、現状をよりよく変えていきたいと思う人たちと、様々な議論をし、多くの刺激をもらえたことも、私にとってかけがえのない財産になっています。

どんな仕事に就くにせよ、視野を広く持ち、多くの視点で物事を捉え、考え、行動できる人は、必ずや活躍できると思います。

筑波大学というコミュニティには、専門性のみならず、上記のような自分自身を成長させられる機会も沢山ありますので、是非、多くの経験を積み、今後に活かしていってください。

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山下 雄生 平成17年度卒業

現所属 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課

山下  雄生筑波大学障害科学類のよいところは、障害について総合的に学べるところです。障害の問題は、医療、教育、福祉、心理など多岐にわたるものです。これらの分野は、それぞれ独立したものではなく、複雑にからまりあって障害にかかわってきます。障害を理解するためには、多分野にわたる幅広い教養が必要なのです。

障害科学類では、さまざまな分野の先生方から、それぞれの専門的な知識を得ることができ、その中から自分にあった道を選ぶことができます。研究方法もひとつに限られず、臨床、実験、調査、文献など、いろんな視点から障害について研究することができます。筑波大学には附属の盲、聾、養護学校があり、見学をする授業も用意されています。実際の教育の現場を見て、触れて、体験できるのは貴重な経験です。また、障害者介助のボランティアをする機会も多くあります。

障害があるというだけで不便な生活を強いられる社会を、制度面から見直したいと思い、私は大学卒業後行政職につきました。大学で障害について総合的に学べたことは、今大きな財産となっています。筑波大学には、多くの先生方や先輩、仲間と出会い、じっくりと自分の進路を決められる豊かな環境があります。もし、あなたが障害に興味があるのなら、あなたにとって筑波大学障害科学類は最適な場所となるでしょう。

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吉村 亜希子 平成14年度卒業

現所属 取手市役所 障害福祉課 発達支援専門員

吉村  亜希子

私は、取手市で発達に遅れのある子どもの療育にかかわる仕事をしています。具体的には、市内の療育機関で、発達に遅れのある子どもの指導を行ったり、保護者の相談に応じたり、また、市内の保育所や幼稚園を巡回し、対応が困難な子どもにかかわる先生方の相談を受けたりしています。

大学では、心身障害学を専攻しました。専門分野だけでなく、いろいろな障害の基礎を学ぶことができたこと、教育・心理・福祉・医学など様々な視点に立った講義や実習を受けることができたことは、現在、様々な障害のある子どもとかかわる上でとても役に立っています。中でも、行動障害や発達障害に関する講義、実習で学んだ、発達障害の基本的な特徴や医学的な知識、行動論的な対応方法などは、私の仕事の基盤となっています。

スーパーバイザーの指導を受けながら、子どもの指導を行う機会があるということは、とても恵まれた環境であると思います。臨床実習では、実際に広汎性発達障害や注意欠陥多動性障害の子どもに対する指導を行い、アセスメントの方法や指導プログラムの作り方、指導方法などを教わりました。また、研究室における臨床指導や卒業研究では、子どもへの対応だけでなく、保護者に対するかかわり方や関係機関との連携の在り方についても学ぶことができました。大学でのこうした経験は、子どもの状態をアセスメントし、指導を行ったり、保護者や関係機関との連携を図る、現在の仕事に活かされています。

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薬袋 愛 平成14年度卒業

現所属 山梨県立盲学校

薬袋  愛私は現在、山梨県立盲学校で教員をしています。視覚に障害のある子どもたちと一緒に、刺激的で楽しく充実した日々を送っています。

私の人生を決めたのは、大学時代、何の気なしに受講した視覚障害教育の授業でした。見えない、見えにくいのならば、工夫して補えばいい。指先を眼とする子どもたちの学びを考えることは、私の固定観念を根本から覆す体験であり、とても楽しく、面白いものでした。それまでの私は教員になりたいとは思っておらず、免許に必要な授業も全く取っていませんでした。しかし、視覚障害児教育に携わりたいという気持ちが抑えられず、4年生になってから教員を目指し、卒業後は大学院で実践的内容を中心に学びながら、同時に学類の科目履修をして教員免許を取りました。少し遠回りをしましたが、大学時代にやりたいことに出会えた私はとても幸せだったと思います。

今、視覚に障害のある子どもたちと実際に関わる中で、子どもの「できない」を「できた!」に変える力、泣き顔を笑顔に変える力が専門性であると感じています。障害特性をふまえて実態を把握し、指導を工夫し、評価をすること。学類・大学院で、視覚障害について生理や病理、心理、発達、検査法、各教科の指導法など様々な視点から系統的に学べたこと、また他障害や教育・福祉制度について得た知識や、子どもへの関わり方など、学んだことの全てが、子どもの笑顔を支える力につながっていると感じています。

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武居 渡 平成5年度卒業

現所属 金沢大学教育学部障害児教育講座 助教授

武居  渡金沢大学では、聴覚障害関係の授業を担当し、将来ろう学校や難聴学級の教員を目指す学生の指導にあたっています。私の専門は、聞こえない子どもの手話の獲得ですが、最近では、様々なろう学校にお邪魔し、ろう学校の先生方から話を聞かせていただきながら、聞こえない子どもの手話や読み書き獲得の支援について先生方と一緒に考える機会も増えてきています。

人間学類で学べてよかったと思う点が2点あります。1点目は、知的障害、視覚障害、肢体不自由などすべての障害について学ぶことができたことです。私は聴覚障害が専門ですが、障害児教育講座というところに所属していると、知的な障害のある子どもたちの生活について相談を受けたり、養護学校を訪問したりなど、聴覚障害以外のニーズにもこたえなければならないことが出てきます。その時、人間学類でさまざまな障害について一通り学んだことが役にたっています。2点目は、教授や助教授の先生方だけでなく、若い技官や助手の先生方、ドクターやマスターの学生など、障害に関わる研究をしている多くの人たちと出会い、話をすることができたことです。同じ志を持つ多くの仲間と切磋琢磨できたことも今の自分にとっては大きな財産になっています。

これから障害科学を学ぼうとしている方へ一言。ぜひ、自分の専門以外の分野についても多く学んでください。他の分野を学ぶことで、自分の専門がさらに高く積みあがってきます。

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