1年生 徳地はるか
私は今、自閉症の人への支援を志しています。高校時代、ボランティア活動をきっかけに「自閉症」という障害に興味を持ち、自閉症の人がより豊かな暮らしができるように貢献したいと思うようになりました。しかし、具体的に将来どういう形で支援するのかは大学受験の時点では定まりませんでした。
私にとって、障害科学の魅力は、「障害」についてさまざまな観点から学ぶことができる点です。それが他大学の教育学部や福祉学部ではなく筑波大学の障害科学類(註:18年度までの名称は人間学類心身障害学主専攻、以下同じ)に進もうと思った理由です。これから福祉、心理、教育、など様々な方面から障害について学び、自分の進むべき道を考えていくつもりです。

サークル活動の様子
1年生のうちから自分の興味を深く追求できる環境が、筑波大学にはいくらでもあります。そのひとつが研究会です。専門分野に関する論文を発表しあったり、子供に対して臨床活動をしたりする場に、学類1年生のうちから参加することができます。1年生で何の専門知識もない私には、発表を聞いてもわからないことだらけですが、今の時期から自分の関心を持っている分野の先生や大学院生と触れ合え、臨床に参加できるというのは本当に貴重なことだと感じています。

学生宿舎の調理場での自炊
また、サークル活動も学びの場となりえます。私は知的障害のある方々と一緒にレクリエーションをするサークルや団体に参加しています。サークルの活動自体も楽しいし勉強になりますが、それだけでなく、同じような事に興味を持ち、活動している友達や先輩と交流できるのも大きな刺激となります。
入学して2ヶ月足らずの私には、まだ受験生の皆さんに伝えられるような情報はあまりありません。ただはっきりといえることは、私は今、恵まれた環境の中で充実した生活をしているということです。自分の気持ちさえあれば、何でもできる環境が筑波大学にはあります。私も今は、この環境を最大限有意義に使おうと、自分のアンテナを精一杯広げている段階です。これからいろいろなことに挑戦していきたいと思っています。
ここまで障害科学に関することばかり述べてきましたが、日常生活ももちろん楽しく刺激的です。友達がみんなすぐそばに住んでいるので、一緒にご飯を作ったり、誕生日パーティーをしたり、みんなで支えあって生活しています。

Q‘tクレオスクエアの雑貨屋さん

TXつくば駅前 Q‘t
2年生 柴田圭介
実を言うと、私は当初心理学を専攻するつもりでした。しかし、人間学群(註:18年度までの名称は人間学類)で実際に障害科学I・IIの講義を聴き障害を持った友人に触れあうようになってから、次第に障害について専門に学び障害を持った人たちの役に立ちたいと思うようになってきました。その気持ちが、私を障害科学類に導いたのです。小学生の時以来の「心理学を学びたい」気持ちが揺れ動いた私のように、人間学群での経験はきっとあなたの思考の中で大きなウエイトを占めるでしょう。

キャンパス内の風景
特に筑波大学の障害科学類は先生方の人数も多く、そのため分野も様々で、ここで学べない障害は無いといっても過言ではありません。しかもその分野の第一人者が名を連ねています。従ってより広く、より深く学ぶことができます。実際、昨年度障害科学の講義を受けていても「流石だ」と感じた先生は数多く、このわずかなスペースでは表現しきれないくらいです。私が現在「発達性読み書き障害」という障害に興味を持ち、勉強しているのも、障害科学の講義で影響を受けてのことです。さらにやる気さえあれば、2年生のうちから研究室の研究会(先生に加えて4年生や大学院生が肩を並べるハイレベルな空間です!)に参加することもできます。いずれにしても、求めれば求めた分だけ学問の専門性が飛躍的に高められるところが、筑波大の障害科学の最大の魅力だと私は考えます。

学生控室「ニコニコ」からの眺め
私が筑波大学を選んだ理由の一つにキャンパスの壮大さがあります。日本でも有数の広さに加え、いくつも池があり、芝生があり森があり…と、まるで国立公園のようなキャンパスは、そこでちょっと昼食をとっている間にも勉強やサークルでの疲れを癒してくれるでしょう。受験生の時にも私は一度筑波大学に来ていますが、キャンパスの落ち着いた情景に私はただならぬ憧憬を抱きました。「ここで毎日を過ごせたら幸せになれる。」と、そう思ったのです。

学生控室「ニコニコ」
また、筑波大学周辺には都心に比べ遙かに安価なアパートが建ち並び、学生宿舎も完備されています。このように大学のそばに住みやすい環境が整っているのも筑波大学の良いところです。そのため図書館なども利用しやすく、大学を最大限活用できます。私も大学から5分のアパートに暮らしていますが、大学へのアクセスの良さに感動しています。たった一つの質問のために先生を訪ねることも、たった10分の練習のためにサークルに行くことも、この距離だからこそできることです。
最後になりますが、私は学類での勉強の他に、ジャズのサークルに所属し、研究室にも通っています。この3つで一週間の予定はほぼ埋まってしまうので、毎日はとにかく忙しい、というのが正直な感想です。しかし、どれも自分が興味をもって行っているので、この生活には満足しています。キャンパスもサークルもそして学問も圧倒的な規模を誇る筑波大学。その盛んな学問の一端をになう人間学群、障害科学類。この恵まれたフィールドで、あなたも学んでみませんか。
3年生 藤田繭子
受験生のみなさんこんにちは。この文章を読んで、少しでも筑波大学での生活ってどんな感じなのかというイメージを持っていただけたらうれしいと思います。
まず、なぜ私が障害科学類にいきたいと思ったのか。私は高校生のとき、通所の授産施設でボランティアをさせていただいていました。その活動をしていく中で、地域に障害のある方が住んでいてもそのことをぜんぜん知らない人たちがいたり(私もその中のひとりでしたが)、町の作りも何も配慮されていないということを感じました。そして結局福祉って何だろうと思ったのが障害科学を志望するきっかけでした。いろいろな大学を調べてみましたが、筑波大学の障害科学は扱う内容が多岐にわたり、各分野の先生がたくさんいらっしゃるため、いろいろなことが学べそうだと思ったので、筑波大学の障害科学類を志望しました。
そして運よく合格し、今に至るわけです。それでは、日々の生活について少し紹介したいと思います。まずは学生の本分の授業について。

学生控室「ニコニコ」

キャンパスの風景

散歩コースのペデ(歩道)
大学では自分の好きなように時間割を立てられるので、自分が空けたい時間をあけることができます。私は今、週休3日制で、ゆったりとしたペースで生活しています。授業は学年が進むと専門性が増しますが、自分の興味のある講義なのでとても刺激を受けるし、いろいろなことを考えます。高校生のように1日にぎっしり授業が詰まっているわけではなく、空いた時間に図書館で調べ物をしたり、学類生控室(『ニコニコ』といいます)で友達としゃべったりランチをしたりします。時間をどれだけ有効に使うかを考えるのも楽しみの一つです。天気のいい日は外の芝生でだらだらします。筑波大学は緑が多くてまさにキャンパスライフを味わえる点が最高です。

人間サテライト
放課後は、サークルのある日はサークルに行き、バイトのある日はバイトに行き、何もない日は甘いものを食べてから→図書館で課題や調べ物をするという感じです。もちろん夜は友達と遊んだりもします。
そして大学生といえばサークルですが、みなさんは大学に入ってやりたいな、と考えていることってありますか?私は現在2つのサークルに所属しています。サークルの活動は生活の結構な割合を占め、勉強と同じ位大事なものになっています。同じ学類の友達といるのも楽しいですが、サークルでは違う学類の友達がたくさんできて新しい世界がひらけますよ!そしてサークルと一口に言ってもいろいろあります。ぜひ自分にあったサークルを探して、活動に打ち込んでみたらいかがでしょうか。
また、バイトも社会とつながるチャンスです。3年生にもなるとほとんどの人がバイトそしています。私も去年できたQ ‘tという建物の中でバイトをしています。その中の雑貨屋をめぐるのがバイト後の楽しみになっています。このようにたまに息抜きをしつつ(つくば市も緑が豊かで、ペデ沿いは私のお気に入りの散歩コースです)、学校、バイト、サークルと充実した毎日を送っています。
4年生 安田貴子
私の障害科学類志望の動機は、軽度発達障害について学びたいということでした。将来教師になりたいという思いと、サークル活動をする中で出会った子どもたちをみて、この考えは大きくなりました。学習をする上で、何の困難もなく勉強してきた自分にとって、外からは見えない何らかの障害によって学習に困難を抱えている子どもは、未知の存在でした。このような子どもたちは学校の中に少なからずいると思います。そのときに、援助の方法を少しでも知っておきたいと思ったことが志望動機につながっています。
授業に関してですが、1年生のときは必修授業が多かったので、他学類の授業を履修することは大変でした。しかし、筑波大学の売りは、自分の学類以外の学問領域も比較的自由に履修できることだと聞いていたので、2年次以降はいくつか他学類の授業を履修しました。全く専門外のことを勉強するのも楽しいです。また、教員免許を取得する場合、その教科に合わせて他学類の授業を履修する必要があります。教員免許を取得しようとしていない人よりも授業数が増えてしまうので、目指す方はがんばってください。
普段の生活は、授業があるときは授業に出席し、空き時間は友達とおしゃべりしたり、授業の宿題や予習などをしたりしています。授業が終わると、サークルの活動に参加しています。私は2つサークルの掛け持ちをしていたので、平日の夜は、ほぼサークルに費やしていました。いくつか掛け持ちしている人もいれば、まったく入っていなくて、バイトを一生懸命している人もいます。どちらにせよ、そうやって外に出て行くことは、人脈を広げることになって、友達、知り合いが増えるのでお勧めです。

学類の友達との鍋パーティ
授業やサークルが終わり、帰ってきてから落ち着く住居。筑波大学には学生宿舎があり、多くの新入生はここに住みます。決して快適な生活が送れるとはいえませんが、住んでいるのは同じ学年の人が多いので、友達をたくさん作ることができます。内線電話があって、宿舎内がただでしゃべり放題です。「こんなところには住めない」と、出ていく人も多いですが、私にとっては“住めば都”でした。ただ、共同浴場の時間が決まっていることが不便で、夜遅く帰ってくると、お風呂に入れないということもあります。そんなときは、アパートの友達にお世話になっていました。
大学生は、時間をうまく使えば、いろいろなことができるときだと思います。もちろん勉強を一生懸命するのもいいし、人間関係を広げたり、あちこちに出かけて自分の視野を大いに広げることもできるでしょう。ほかの人には真似できないような、自分なりの充実した学生生活を送ってください。

大学院生との合同ゼミ

自閉症スペクトラム障害臨床実習