前回は、筑波大学の交流協定校であるホーチミン市師範大学と、ドンズー日本語学校の学生との交流の様子について紹介をしました。つくばキャンパスでは、なかなか見られない好奇に満ちた学生の表情をお伝えできたでしょうか。今回は、ベトナム・ホーチミン市の教育機関などで実施された日越共同授業研究に参与した様子について紹介いたします。
2006年12月、国連総会において障害者の権利に関する条約Convention on the Rights of Persons with Disabilitiesが採択され、第24条「教育」においてインクルーシブ教育に関する規定が盛り込まれました。2015年現在、締結国・地域は159に及び、わが国は2014年1月に、そしてベトナムも2015年2月に批准をしました。
今回、学群学生のベトナム訪問の目的の一つとして、ベトナムにおけるインクルーシブ教育現場において実施される日本とベトナム両国の教員による共同授業研究への参与があります。現地での複数の教育現場に筑波大学附属の特別支援学校(視覚、聴覚、桐が丘)教員に入っていただき、ベトナムの教員と共同して授業研究を実施するというものです。昨年度の本学附属特別支援学校での共同授業研究に引き続いての実施となります。
学生にとっては授業研究を見学する機会が少ない中、日越共同による授業研究の場への参与、そして授業カンファランスへの参加はどのように映ったのでしょうか。わが国における長い障害児教育の積み上げによる専門性の涵養がベトナムにおける当該教育、現職教育にどのように貢献できるのか、つぶさに観察する機会となったのではないでしょうか。