視覚障害学

本研究分野は、視覚障害について、生理学、心理学、教育学の各側面から総合的に研究する、我が国屈指の研究組織である。

生理学的アプローチにおいては、最新の理論・設備を導入して視機能の特性を明らかにし、弱視レンズや各種補助器具、および教育上の配慮に関する知見を蓄積している。また、視覚障害は視覚系のみならず、運動能力の発達や身体発育にも影響を与えることから、体力や空間知覚の測定を通して、盲児の歩行指導や体育に関する基礎的データを収集している。

生理学による基礎的分析を行う一方で、弱視児の普通文字の読み、盲児の点字の読みや触察による図形の認知、盲児の空間認知など、高次の認知機能に関する心理学的分析を行い、基礎データを蓄積している。また、視覚障害者の障害受容、自己認識、晴眼者との関わりなど、社会参加や障害理解に関わる心理的研究も行っている。

これらの基礎研究を背景に、さらに総合的視点から、教育相談・臨床を行っているが、ここでは、視覚系の単一障害のみならず重複障害も対象にして、視覚障害児の行動変容に関する研究とその指導プログラムの開発を進めている。

また、附属視覚特別支援学校との連携のもとに実践研究を進め、指導法の体系化・理論化を図り、我が国の視覚障害教育の専門性の拠点としての役割を果たしている。さらに、諸外国の視覚障害教育の実態についても最新の情報を収集・分析し、広い視野から、我が国の視覚障害教育の制度・運営に関わる研究も進めている。

教授 柿澤 敏文  [KAKIZAWA Toshibumi]
准教授 小林 秀之 [KOBAYASHI Hideyuki]
佐島   毅  [SASHIMA Tsuyoshi]
宮内 久絵 [MIYAUCHI Hisae]
ラミチャネ カマル  [LAMICHHANE Kamal]
和田  恒彦  [WADA Tsunehiko]
講師 徳竹 忠司  [TOKUTAKE Tadashi]
濱田  淳  [HAMADA Jun]
助教 工藤 滋 [KUDO Shigeru]