グローバル化の進展は教育にどのような変化をもたらすのでしょうか。「国民」の育成を目的とした教育の変容に着目して研究を進めています。これまでは、イングランドのシティズンシップ教育政策を事例として、カリキュラム改革をめぐって社会統合やナショナルアイデンティティの形成がどのように論じられたのかを検討してきました。このような研究に取り組み始めたのは、そもそも国民と外国人（市民と非市民）の境界がどのように生成されるのか、そして教育がその境界の維持・変容にどのように関与しているのかに関心をもったからです。今後は、シティズンシップ教育政策や移民の子どもたちの教育について引き続き検討するとともに、国際バカロレアをはじめとする国際教育の理論と実践についても検討していきたいと考えています。

【著書】

• 菊地かおり（2018）『イングランドのシティズンシップ教育政策の展開: カリキュラム改革にみる国民意識の形成に着目して』東信堂．
• 菊地かおり（2016）「イングランドにおけるエスニック・マイノリティへの教育的支援」園山大祐編『岐路に立つ移民教育: 社会的包摂への挑戦』ナカニシヤ出版、72-88.
• 小山晶子・菊地かおり（2016）「イングランドにおける学業不振のリスク要因分析: 追加言語としての英語（EAL）への着目」園山大祐編『岐路に立つ移民教育: 社会的包摂への挑戦』ナカニシヤ出版、180-192.
• 杉田かおり（2013）「シティズンシップ教育で道徳教育」福田弘、吉田武男編『道徳教育の理論と実践』協同出版、195-211.
• 杉田かおり（2011）「イングランドのシティズンシップ教育と共生」岡本智周・田中統治編『共生と希望の教育学』筑波大学出版会、282-294.

【論文】

• 菊地かおり（2018）「イギリスにおける『移動する子どもたち』の教育課題と支援: 難民及び庇護希望者の受け入れに焦点をあてて」『国際理解教育』24、50-60.
• 鎌田公寿、藤井大亮、菊地かおり、羽田野真帆（2018）「高校教育における『グローバル人材』育成の特質: スーパーグローバルハイスクール（SGH）構想調書の分析を通して」筑波大学人間系教育学域『教育学系論集』42(2)、73-86.
• 菊地かおり（2015）「多様性のための教育とシティズンシップ教育: イングランドの展開に着目して」『オセアニア教育研究』(21)、52-66.
• 杉田かおり（2015）「イングランドのシティズンシップ教育政策にみる国民意識の形成: 共通カリキュラム導入期に焦点をあてて」『比較教育学研究』(50)、45-65.
• 杉田かおり（2011）「イングランドにおける連合王国『国民』の形成に関する一試論: シティズンシップの観点から」『公教育計画研究』(2)、110-128.

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