心理学域の川上直秋准教授と菅原大地助教が参加する提案「社会的孤立の生成プロセス解明と介入法開発:健康な「個立」を目指して」が、社会技術研究開発センター(RISTEX)の実施する研究開発プロジェクト「社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築」に採択されました。(研究代表者:太刀川 弘和 (筑波大学 医学医療系 教授) )
この事業は人口減少・少子高齢化、経済変動、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の新興感染症による影響など、様々な社会構造の変化を踏まえ、社会的孤立・孤独のメカニズムを明らかにすると共に、社会的孤立・孤独を生まない社会像を描出し、人や集団が社会的孤立・孤独に陥るリスクの可視化や評価手法(指標等)、社会的孤立・孤独を予防する社会的仕組みの研究開発を推進するものです。
【プロジェクトの概要】
従来の社会的孤立・孤独研究および実践では、社会的孤立の概念があいまいであり、その生成プロセスの把握ができていない。加えて、社会的孤立解消に向けた取り組みは、個別支援にとどまり、予防的介入も行われていない。本プロジェクトでは、社会的孤立・孤独の生成プロセスを明確化し、孤立のスティグマを軽減して重症化を防ぐ適正な介入手法をコミュニティーベースで開発する。川上直秋准教授は潜在連合テスト(IAT)を駆使して社会的孤立者の認知的特徴や社会的孤立のプロセスの解明に取り組む。菅原大地助教は、社会的孤立の概念の明確化と、社会的孤立者へのインタビューにより社会的孤立に至る心理・社会的要因の検討に取り組む。本プロジェクトによって、個人が健やかに自立生活を継続できる健康な「個立」社会の生成を目指す。
関連リンク:社会技術研究開発センター(RISTEX)