2024年10月3日(木)10時30分より、TGSW2024(Tsukuba Global Science Week 2024)の一環として、人間系が主催するセッション「インクルージョンと対話 ―人間科学とビジネスの視点から―」(オーガナイザー:河野禎之/障害科学域)を開催しました。
当日は日英同時通訳と手話通訳を入れ、さらにZoomウェビナーを用いたハイブリッド形式で開催し、対面とオンラインの合計で約100名の方が参加しました。
セッションは、永田恭介学長による開会挨拶の後、カルティエ ジャパン プレジデント&CEO の宮地純氏による基調講演、京免徹雄(教育学域)、仲田真理子(心理学域)による話題提供と進みました。その後に、徳永智子(教育学域)を指定討論者とし、河野禎之(障害科学域)をモデレーターとしたパネル・ディスカッションに移りました。
宮地氏からは、ビジネス領域、特にラグジュアリーブランドを擁する企業として、なぜ社会課題に対して取り組み、その解決に資することが重要なのか、そのためにはどのような対話が必要なのか等についてご講演をいただきました。
また、話題提供のお二人からは、教育場面を題材とした「対話のジレンマ」や、発達障害の当事者視点から捉えた対話の前提となる構造的問題などについて共有いただきました。
最後のパネル・ディスカッションでは、指定討論として「対話」で忘れられやすい、背後に潜むマジョリティ性や特権性の視点を入口に、対話を巡る現状の課題や今後に向けた留意点(例:対話の場に参加できることの特権性や、参加できない存在を不可視化しない。対話そのものの意義や価値を問い直す姿勢)等について幅広く考えが共有されました。
くわえて、セッション終了後に開催した、事前登録制とした人間系の教員と学生、カルティエ ジャパンの社員を中心としたグループ交流会でも、それぞれの立場を尊重しながら自由で活発な意見交換が続きました。
今後も、人間系は「人の多様性」を巡る課題の解決に向けて、学際的な視点にくわえて産学連携による多彩な知見を取り入れながら研究と実践を進めていく予定です。
パネル・ディスカッションの様子
グループ交流会後の記念写真
参考情報:TGSW2024 https://tgsw.tsukuba.ac.jp/